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よく「人生の3分の1は眠り」と言われますが、一日の3分の1もの時間を費やしている眠りが、起きている状態と無関係なはずがありませんね。
子どもの発達を考える時、眠りは絶対に無視出来ない重要なものとなります。
それではまず、子どもの眠りがどのように育つのかについてお話をしましょう。
先に「人生の3分の1は眠り」と書きましたが、生まれたての赤ちゃんは、一日当たり16時間も眠りに費やしていると言われています。つまりこの時期は「3分の2」が眠りなのです。しかも、2から3時間の短い眠りを何回も繰り返し、大人とは違って、ハッキリした1日のリズムがありません。
この「1日のリズム」は、むずかしい言葉で言うとサーカディアン・リズムと言って、脳の中の「体内時計」によって刻まれているリズムのことです。つまり、生まれたての赤ちゃんには、この体内時計によるリズムがまだハッキリと備わっていません。(図1)
ところが生まれてから2ヶ月の終わりごろ(生後7週ころ)から、赤ちゃんの眠りが急に変化をします。夜と昼のメリハリが生まれ、昼には起きている時間が長くなり、夜にはまとまって眠れるようになってきます。この生後2ヶ月の終わりころには、眠りだけではなく、いろいろな事が変化します。
生まれたての赤ちゃんはあやしても笑いませんよね。
ところが、この2ヶ月の終わりを境にあやされたり、人の声を聞いたりすることで、ニッコリと笑うようになるのですが、この笑いの事を「社会的微笑」と呼びます。
また、それまではできなかった、手に持った玩具を口に持ってきてしゃぶることが出来るようになったり、目の前のものを目で追うときに、スムーズな目の動きで追えるようになったり、さらには、脳波のパターンも変化してきます。
このように、眠り(意識)、社会的微笑(認知)、おしゃぶりや目の動き(感覚・運動)、脳波(脳自体の活動)など、非常に広い範囲で変化が同時に起こりますが、おそらく、その背景には、脳自体の急激な成熟があるのだと考えられます。
さらに、この生後7週という時期は、実は、出産からの時間ではなく、精子と卵子が出会う受胎の瞬間をスタートとして決められているらしいことが私たちの研究で分かってきました。
つまり、生後少ししてからの眠りの成熟は、受胎をスタートとするほとんど自動的なプログラムによってコントロールされていると考えられます。もう少し分かりやすく言えば、赤ちゃんがお腹の中に出来た瞬間から、眠りの発達のレールが敷かれ、眠りの発達はそのレールの上をちゃんとスケジュールどおりに進んで行くものと考えられるのです。
生後半年から1年くらいたつと、夜の眠りはかなりまとまって、夜にはあまり起きなくなります。実際、幼児になると、夜の眠り自体はほとんど変化せず、ベッドに入る時間も、朝起きる時間も、夜の眠りの長さも、3歳児から5歳児までほとんど一定なのです。
では、何も変わらないかというと、そうではありません。夜の眠りがほとんど変わらないのに対して、昼間の眠り、つまり昼寝は顕著に変化します。以下の図は、2004年にアメリカで行われた1,473名の子どもを対象とした調査(2004 Sleep in America Poll)の結果を示します。
それぞれの年齢の子どもたちが一日あたり何回の昼寝を取っているかをあらわしたものですが、とくに3歳以降昼寝をとらない子どもの数が増えていきます。
3歳で約4割、4歳で約7割、5歳で8割を超え、6歳ではほとんどの子どもが昼寝をとりません。このように、幼稚園や保育園に通う年齢に相当する3歳から6歳までの間に、昼寝を習慣的にとる子どもの割合は、どんどん減って行きます。そして、小学校にあがる6歳では、ほとんどの子どもが昼寝をしないようになり、日中、ちゃんと起きていて、お勉強が出来るようになっているというわけです。
6歳の就学年齢というのは、お昼寝を基準に決められたものではないのでしょうが、睡眠を研究する者から見ても、よく出来た年齢設定だと思います。
前の章「子どもの眠りの発達について」で書きましたが、夜の眠りがある程度成熟したあとは、昼間の眠り、つまりお昼寝に大きな変化が起きるのです。
この「お昼寝」ですが、取り方を間違えると良くない影響があります。
実は、お昼寝にも良いお昼寝と悪いお昼寝があるのです。
つぎに、このお昼寝のとり方について説明いたしましょう。
先にお話ししたように、幼児期にお昼寝をとる子どもの割合はどんどんと減って行きます。これは、子どもの成長にともなって、夜と昼のリズムが徐々に出来てきて、夜にはちゃんと眠り、昼にはキチンと起きていることが出来るようになっていくという発達的な変化なのだと考えられます。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
地域や個々の保育園で、実際のやり方は異なりますが、一般的に日本の保育園では、午後に1時間半程度のお昼寝(午睡)がとられています。これは、厚生労働省の保育所保育指針の中に午睡についての記述があり、これを根拠として行われるようになったと考えられます。
今回(平成21年4月1日より施行)、保育所保育指針は改定され、午睡についての記述もなくなりましたが、「発達を考慮して高い年齢の幼児にはお昼寝を課さないこと」などの積極的な指導があるわけではありませんので、保育所保育指針の改定が、すぐに保育現場でのお昼寝のあり方に変化をあたえるのは難しいのではないかと考えています。
そのお昼寝ですが、午後に1時間半程度のお昼寝をとると、平均で約30分程度、夜寝るのが遅くなることが私たちの研究から分かっています。これは、私たちが幼稚園児と保育園児の睡眠を比較した結果分かったことですが、幼稚園児と保育園児の違いはこれだけではなく、保育園児は、幼稚園児に比べて「夜更かしの回数が多い」「朝の機嫌が悪い」「寝不足感が強い」「園への行き渋りも多い」「寝つきが悪い」という結果でした。
眠りは一般的に休息と考えられていて、寝不足を心配する人はいても眠りを多くとることを悪いことだと思う人はほとんどいないと思います。 お昼寝は夜の眠りの不足を補うものであり、お昼寝が悪いと考える人も本当に少数派なのではないでしょうか。
しかし、成人のデータによると、眠りの量が多すぎる場合でも、少なすぎる場合と同様、死亡率を高めたり、精神的な健康の低下、学生の成績低下と結びつくことが知られています。
つまり、眠りが多ければ多いほど良いということを支持する積極的な科学的証拠は無いのです。
また、眠りには、何時間眠るかという「量」の側面と、いつ眠るかという「リズム」の側面があります。眠りと覚醒のリズムは脳の中にある生物時計(視交叉上核と言います)によってコントロールされています。眠りと覚醒のリズムがいかに規則正しいかという事は、どれだけの量の睡眠をとったかという事とともにとても重要なことなのです。
お昼寝の「機能」を調べるため幼稚園児を対象に、お昼寝をした日としなかった日で、その当日の夜に寝た時間と前の晩の夜の眠りの長さを調べました。その結果、お昼寝をした場合としない場合との間で、前の夜の眠りの長さに差は認められず、一方、お昼寝をとった当日の夜に眠りについた時刻は、約30分遅くなっていました図3(図3)。この約30分の差は、ちょうど平日の保育園児と幼稚園児の就床時刻の差に一致しています。つまりこのことは、幼児の年齢で午後に1時間以上のお昼寝をとる事が、夜の眠りの入眠時刻を約30分後退させることを示しています。
さらに、保育園に通っていたお子さんと幼稚園に通っていたお子さんが小学校に入学した後、どのような眠りをとっているかについて追跡調査を行ったところ、小学校入学前に、保育園に通っていた小学生は幼稚園に通っていた小学生に比較して夜に眠る時刻が遅く、この差は小学校高学年になってようやく無くなっていました。
つまり、幼児の時期に外から与えられた眠りの習慣が約3~4年間は続く可能性があるということです。また、眠る時刻に関しては高学年で両グループにほとんど差がなくなるものの、理由は定かではありませんが、「学校に行き渋る頻度」や「朝の機嫌の悪さ」について高学年になってから元保育園児で症状が悪く現れていました。これらの事を考えると、幼児の時期にどのような眠りの習慣を身に付けるかということは長い目で見ても重要であることが分かりますね。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
さきに、「眠りのリズム」という表現をつかいました。私たち人間は、「昼行性」の動物です。(「昼行性」という言葉は、なじみがないと思いますが、「夜行性」と逆の意味で使います。
つまり、「夜行性」とは夜に活動する特性のことで、「昼行性」というのは、昼に活動するという特性のことです。)つまり、私たち人間は、昼間活動し、夜に眠るように出来ているわけです。
どんなに文明が進んでも(人間のリズム遺伝子の操作でもしないかぎりは・・・)この生物としての制約から逃れることは出来ません。
ところが、現代の人間は、この生物としての制約を無視した生活を強いられているか、もしくは、制約を認識しないまま生活をしていることが実に多いのです。
次に、このような問題を考えてみましょう。
今回(平成21年4月1日より施行)、保育所保育指針は改定され、午睡についての記述もなくなりましたが、「発達を考慮して高い年齢の幼児にはお昼寝を課さないこと」などの積極的な指導があるわけではありませんので、保育所保育指針の改定が、すぐに保育現場でのお昼寝のあり方に変化をあたえるのは難しいのではないかと考えています。
そのお昼寝ですが、午後に1時間半程度のお昼寝をとると、平均で約30分程度、夜寝るのが遅くなることが私たちの研究から分かっています。これは、私たちが幼稚園児と保育園児の睡眠を比較した結果分かったことですが、幼稚園児と保育園児の違いはこれだけではなく、保育園児は、幼稚園児に比べて「夜更かしの回数が多い」「朝の機嫌が悪い」「寝不足感が強い」「園への行き渋りも多い」「寝つきが悪い」という結果でした。
眠りは一般的に休息と考えられていて、寝不足を心配する人はいても眠りを多くとることを悪いことだと思う人はほとんどいないと思います。 お昼寝は夜の眠りの不足を補うものであり、お昼寝が悪いと考える人も本当に少数派なのではないでしょうか。
しかし、成人のデータによると、眠りの量が多すぎる場合でも、少なすぎる場合と同様、死亡率を高めたり、精神的な健康の低下、学生の成績低下と結びつくことが知られています。
つまり、眠りが多ければ多いほど良いということを支持する積極的な科学的証拠は無いのです。
また、眠りには、何時間眠るかという「量」の側面と、いつ眠るかという「リズム」の側面があります。眠りと覚醒のリズムは脳の中にある生物時計(視交叉上核と言います)によってコントロールされています。眠りと覚醒のリズムがいかに規則正しいかという事は、どれだけの量の睡眠をとったかという事とともにとても重要なことなのです。
お昼寝の「機能」を調べるため幼稚園児を対象に、お昼寝をした日としなかった日で、その当日の夜に寝た時間と前の晩の夜の眠りの長さを調べました。その結果、お昼寝をした場合としない場合との間で、前の夜の眠りの長さに差は認められず、一方、お昼寝をとった当日の夜に眠りについた時刻は、約30分遅くなっていました図3(図3)。この約30分の差は、ちょうど平日の保育園児と幼稚園児の就床時刻の差に一致しています。つまりこのことは、幼児の年齢で午後に1時間以上のお昼寝をとる事が、夜の眠りの入眠時刻を約30分後退させることを示しています。
さらに、保育園に通っていたお子さんと幼稚園に通っていたお子さんが小学校に入学した後、どのような眠りをとっているかについて追跡調査を行ったところ、小学校入学前に、保育園に通っていた小学生は幼稚園に通っていた小学生に比較して夜に眠る時刻が遅く、この差は小学校高学年になってようやく無くなっていました。
つまり、幼児の時期に外から与えられた眠りの習慣が約3~4年間は続く可能性があるということです。また、眠る時刻に関しては高学年で両グループにほとんど差がなくなるものの、理由は定かではありませんが、「学校に行き渋る頻度」や「朝の機嫌の悪さ」について高学年になってから元保育園児で症状が悪く現れていました。これらの事を考えると、幼児の時期にどのような眠りの習慣を身に付けるかということは長い目で見ても重要であることが分かりますね。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
不登校のお子さんのうち約6~8割で眠りのリズムが乱れています。私たちは、不登校の高校生において、眠りのリズムが不規則であるほど家庭内暴力が多くなることを明らかにしました(図4)。図4こうした事は、このお子さんだけに限りません。
別の論文では、中学生の不登校の男子が、眠りのリズムの乱れたときに、赤ちゃんがえりのような、精神的症状を示したという事例も紹介されています。つまり、不登校になって、眠りのリズムが乱れることで、不登校の付随症状(家庭内暴力やその他の症状)が悪化するということは、決して特定の不登校のお子さんだけに認められるものではないことが分かります。
また、さらに、このような眠りのリズムとその他の症状との関係は、不登校の場合だけに限るものではなく、たとえば、認知症(痴呆症)の高齢者の眠りのリズムの乱れが徘徊などの付随症状の悪化と関係があることが明らかにされています。
さらに、眠りのリズムの乱れがある高齢者に対して、日中に光を浴びて(眼から取り入れて)生物時計の働きを正常にすることで、眠りのリズムを調整し、さらには、それによって付随症状が消失することが分かっています。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
小学校の間は、眠りのリズムにそれほど大きな変化はありませんが、高学年になり思春期に入ると眠りにつく時刻が遅くなり始めます。眠りにつく時刻が遅くなる傾向は、中高生の間、ほぼ直線的に続いて、大学生になってもまだ続きます。
このように、思春期になってからの眠りの変化は、眠りにつく時刻が遅くなることと、それに伴って夜の眠りが短くなることです。しかし、思春期のお子さんの眠りの特徴は、眠りにつく時刻が遅くなることだけではありません。中高生の約半数は、夕方以降に仮眠の習慣を持っています。図5は、図_5中学生の日中のイライラの程度と眠りにつく時刻や夕方の仮眠との関係をみたものです。
眠りにつく時刻が遅いほどイライラの程度が強くなっています。また、一週間あたりの仮眠の回数が多いほどイライラの程度が強くなっています。これとほとんど同じことが、「抑うつ」や「不安」「日中の眠気」にも当てはまります。
つまり、夜更かしするほど、そして、仮眠を取ればとるほど、イライラが増し、うつ状態となり、不安が高く、さらに眠くなる傾向があるのです。
また、眠りが乱れていることと成績との間に関係があることを示すデータもあります。
別の論文では、中学生の不登校の男子が、眠りのリズムの乱れたときに、赤ちゃんがえりのような、精神的症状を示したという事例も紹介されています。つまり、不登校になって、眠りのリズムが乱れることで、不登校の付随症状(家庭内暴力やその他の症状)が悪化するということは、決して特定の不登校のお子さんだけに認められるものではないことが分かります。
また、さらに、このような眠りのリズムとその他の症状との関係は、不登校の場合だけに限るものではなく、たとえば、認知症(痴呆症)の高齢者の眠りのリズムの乱れが徘徊などの付随症状の悪化と関係があることが明らかにされています。
さらに、眠りのリズムの乱れがある高齢者に対して、日中に光を浴びて(眼から取り入れて)生物時計の働きを正常にすることで、眠りのリズムを調整し、さらには、それによって付随症状が消失することが分かっています。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
乳児や幼児のお昼寝から思春期のお子さんの仮眠、不登校のお子さんや認知症の高齢者の眠りの乱れと付随症状の関係などを見てまいりました。その結果、日中のお昼寝や仮眠が夜の眠りや、夜と昼の活動のリズム自体に望ましくない影響を及ぼしているらしいことがご理解いただけたのではないかと思います。
それでは、お昼寝そのものは、いけない事なのでしょうか。
また、最近は、日中に仮眠をとることで日中の活動にプラスになるなどの結果もマスコミなどを通じて紹介されるようにもなっています。
いったい、お昼寝は良いの?悪いの?image
答えはお昼寝にも「良いお昼寝」と「悪いお昼寝」があるということになります。また、それは、お昼寝をとるタイミングと、長さが重要になってきますが、その点について、次にお話をしましょう。
別の論文では、中学生の不登校の男子が、眠りのリズムの乱れたときに、赤ちゃんがえりのような、精神的症状を示したという事例も紹介されています。つまり、不登校になって、眠りのリズムが乱れることで、不登校の付随症状(家庭内暴力やその他の症状)が悪化するということは、決して特定の不登校のお子さんだけに認められるものではないことが分かります。
また、さらに、このような眠りのリズムとその他の症状との関係は、不登校の場合だけに限るものではなく、たとえば、認知症(痴呆症)の高齢者の眠りのリズムの乱れが徘徊などの付随症状の悪化と関係があることが明らかにされています。
さらに、眠りのリズムの乱れがある高齢者に対して、日中に光を浴びて(眼から取り入れて)生物時計の働きを正常にすることで、眠りのリズムを調整し、さらには、それによって付随症状が消失することが分かっています。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
一般的にお昼ご飯を食べたあと、午後1時から3時くらいにとても眠くなることは、皆さん、誰しもご経験があろうかと思います。
食後におなかに血液が行って、脳に行かなくなるからだと考えている方が多いようですが、これは全くの俗説で、脳の血流量は、食事をとってもとらなくても変わりません。
実は、この眠気は、タイミングとして食後に出現するだけで、直接食事には関係が無く、脳の中にある生物時計に基づいて生じる眠気だと考えられています。
最近、この午後の眠気に対処するために、短時間(15~20分)の仮眠をとることが有効であるとの報告が多くなされるようになってきました。
また、短時間の仮眠は、認知症になるリスクを6分の1に低下させますが、逆に、これに対して長時間(1時間以上)の昼寝は、驚くべきことに、仮眠直後の寝ぼけ状態を生じ、夜間睡眠の質を低下させ、認知症の危険率を2倍に高めるとされているのです。
つまり、単に昼寝の良し悪しを論ずるのは意味がなく、どのタイミングでどのくらいの昼寝をとるかが重要と言えるでしょう。
別の論文では、中学生の不登校の男子が、眠りのリズムの乱れたときに、赤ちゃんがえりのような、精神的症状を示したという事例も紹介されています。つまり、不登校になって、眠りのリズムが乱れることで、不登校の付随症状(家庭内暴力やその他の症状)が悪化するということは、決して特定の不登校のお子さんだけに認められるものではないことが分かります。
また、さらに、このような眠りのリズムとその他の症状との関係は、不登校の場合だけに限るものではなく、たとえば、認知症(痴呆症)の高齢者の眠りのリズムの乱れが徘徊などの付随症状の悪化と関係があることが明らかにされています。
さらに、眠りのリズムの乱れがある高齢者に対して、日中に光を浴びて(眼から取り入れて)生物時計の働きを正常にすることで、眠りのリズムを調整し、さらには、それによって付随症状が消失することが分かっています。
つまり、お子さんが昼間にお昼寝をしなくなったというのは、「ハイハイが出来るようになった」、「立って歩くようになった」、「言葉をしゃべるようになった」、などと同じ成長の証(あかし)なのです。立って歩くようになったお子さんにハイハイをするようにしつけるお母さんやお父さんはいないでしょう。
昼寝をしなくなることも発達の結果ですので、無理やりに発達の前の段階に戻す必要はありませんし、お子さんにとっては、眠れないのに寝かされるのはおそらく、ストレス以外の何ものでもないでしょう。
眠りも含めてすべての発達には、個人差があります。早く昼寝をしなくなるお子さんもいれば、なかなか昼寝がなくならないお子さんもいらっしゃると思います。3歳のお子さんの4割が昼寝をしないというのは、言いかえれば6割はまだ昼寝をするわけですし、4歳のお子さんでも3割弱は昼寝をするお子さんがいるわけです。
つまり、日中のお昼寝をするべきかどうかは、年齢による発達を考慮しながらも、ひとりひとりのお子さんの個人差も考慮しながら考えていく必要があるということです。昼に眠れないお子さんを無理やり眠らせる必要はありませんし、また、昼寝を習慣的にとっているお子さんを無理やり起こす必要もないということですね。
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